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AIカラー化その後

一昨年、AIカラー化についてご紹介した。なかなかすごい技術ではあるが、まだまだ岩を灌木と間違えたり、人の顔の認識が甘くて、集合写真なんかでは何人かは灰色の顔のままだったりした。あとで画像ソフトで修正を加えないと使い物にならず、すくなとくも商売で使える技術ではなかった。
ところがである。京都府印刷工業組合が130周年を迎えるに当たって、古いモノクロ写真のカラー化を提案して実行してみたのだが、これが大変出来がいいのだ。2年前(正確には1年半前)初めて試みた頃は、人の顔は顔認識の実績があるためかそこそこカラー化しても自然だが、顔の見えないモノクロ写真はまず無理だった。今回は全員が後ろ向きで顔がなくてもカラー化でき、服も、以前はみんな珍妙な青色になっていたのが、今回は赤は赤で再現されるようになっている。
もしかして、これはこの1年半で急速に改善されたのではと思って、当時カラー化を試みたものと、最近のアプリでカラー化したものを比べたら、やはり段違いに自然で綺麗な仕上がりとなっている。下に実例をあげる。左端が元々のモノクロ写真である。1957年の春。真ん中の赤ん坊が私で、桜の下、父と母に抱かれている。私がとても気に入っている写真だ。真ん中が一昨年試みたときの写真。確かにカラーになっているが、桜の花は白く表現されていて、芝生も鮮やかさが足りない。私も顔半分が灰色のままだ。これを画像ソフトで色を足してそれらしくしたが、やはり不自然さは否めなかった。
ところが、新しいアプリでこれを試みたら、一発で右端のような仕上がりになった。桜の淡いピンク、芝生の緑、母の服の赤っぽい模様。そしてなにより顔色が自然だ。単純に彩度をあげただけではこうは仕上がらない。たったの1年半でとんでもない進化だ。
どうやらAIの世界は唸りをあげて改善が進んでいる。人の画像を若造りにするアプリとか、性転換させるアプリ。はてはボケた写真をシャープにするものまで登場している。
2045年、AIが人間の能力をうわまわるシンギュラリティが来ると言われているが、どうやら本当にそうなりそうだ。

 

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