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どこでもキャッシュレス

コロナが落ち着き、3年ぶりに海外旅行へ行って参りました。ドバイ経由でスコットランド。旅の話はいろいろあるが、この3年間で世界のIOT化はいよいよ進んでいた。まず日本始め出入国管理のパスポートの顔写真照合が人間ではなくてAIの顔認識の役目になっていた。退屈そうにスタンプを押していた係官は緊急時対応のわずかな人だけになり、スタンプもわざわざ言わないと押してもらえない。
 今回そして驚いたのはキャッシュレス化の徹底だ。実はイギリスに行くにあたって、いわゆる通貨両替は必要ないと言われていた。キャッシュはもう使う機会がないからというのだ。まさかなあと半信半疑だったが、本当だった。全く使わないのだ。むしろキャッシュが使えない。街角のバクパイプ吹きでさえ投げ銭ではなくクレジット決済端末を置いて演奏している。
 じゃあチップはどうするのかと当然思われるだろう。チップという習慣は非常にわずらわしいが、国によっては必須だ。イギリスでも以前行ったときはチップでいつも悩んでいた。これがチップ込みでクレジットカードで支払える。レストランでは決済端末にチップを何パーセントつけるか画面から選べるようになっている。これがしかもタッチ決済である。画面にかざすだけだ。機械に差し込んで、暗唱番号を打ってという手間がない。
 このクレジットのタッチ決済はどこでも普及していて、駐車場の駐車料金ぐらいならさもありなんだが、感心したのは、トイレである。日本ではあまりお目にかからないが、あちらの公衆トイレは有料の場合が多い。以前は小銭を取り立てる老婦人がトイレの入り口にいたものだが、これがいない。タッチ決済で入れてしまう。コイン投入口はなかったから、クレジットがなければトイレも使えないことになる。それも街中ではなく、辺境のめったに訪れる人もないような展望台のトイレでもそうなのだ。
 以前、行ったときは町ごとに交通系プリペイドカードが違い、いちいちキャッシュでカードを買っては結局使い切れないということがあったが、今やどこへ行ってもクレジットタッチで乗れる。逆に日本に来た観光客がクレジットタッチで地下鉄に乗れなかったりしたら戸惑うだろう。日本がIOT後進国であることを世界中に宣言しているようなものだ。
 というわけで、クレジットタッチで何でもすました結果、今になって円安下のクレジット請求に悲鳴をあげている次第。もちろん辺境のトイレの50ペンスもしっかり決済されていました。 

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