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2013年10月に作成された記事

CTP3代目

 我が社のCTPの調子がおかしい。それもそのはず、リースアップしてからも使い続けているから、もう導入から7年が立つ。そろそろ限界なのだ。機械系の故障が目立つし、なにより制御OSがWindowsXPなのだから、もうそれほど長くは使えない。

 現用のCTPは2代目である。初代のCTP導入の時には印刷の革命と言うほど工程の変化をもたらした。当然このコラム(前身の若旦那奮闘記)でもとりあげたし、それは時代の証言として印刷学会出版部の大著「印刷雑誌とその時代」にも収録していただいている。しかし2代目ともなると環境性能や自動化など大きく変わったところはあったが、いわば当然の更新で、あまり話題にすることもなかった。そして、当社の規模では、これだけ能力のあがったCTPを複数台使うということもない。だから2代目であって、2台目ではない。

 さて、3代目である。

 どんな機械でも3代目の更新を迎えるころになると導入を悩むことが多くなる。同じコンセプトの機械ではもう時代にあわなくなるからだ。昔の機械は長く使えたから、この3代目登場までは数十年かかったが、今の機械、特にコンピュータ関係は陳腐化がはげしく3代目まで10年程度でしかない。それでもなぜか同じく3代目あたりで更新に悩むこととなる。

 3代目問題は機械に限った話ではなく、企業経営でもよく話題になる。初代はとにかく豪放磊落、裸一貫で会社をおこし、従業員を雇い、機械を買い、会社を軌道に載せる。おそらくここで軌道に乗れない会社の方が大多数で2代目に引きつげる会社の方が少ないだろう。そして運良く2代目に引き継げたとしたら、2代目は初代と一緒に働いてきた人が多く、保守的で初代の教えとやり方を踏襲し、会社を守ることに徹するということになりがちだ。そして3代目である。3代目ともなると、もう創業から数十年がたっていて、初代と事業環境が違っている。2代目のように初代の言いつけを守るだけでは会社が存続できない。ということで3代目あたりでつぶれる会社は多いし、3代目が優秀であると会社は長期の繁栄に向かう。

 今、3代目CTPを囲む環境は過酷だ。初代や2代の時と根本的に事情が変わっている。ひとつは、もちろん回復しない印刷需要である。印刷需要は毎年毎年右肩下がりである。もう業界全体の売上高は6兆円を割ったとも言われ、情報メディアのインターネットシフトから考えて今後も回復はのぞめない。もうひとつは、無版印刷の台頭である。オンデマンド印刷機と言われる印刷機械は刷版を必要としない。刷版製作機械であるCTPはオンデマンド印刷にとっては無用の長物である。

 ここであらたにCTPを導入するか否かは印刷全体の需要予測、今後のオンデマンド印刷の性能・価格の向上予測をまず綿密に立てねばならない。

 試算してみると、今後のオフセットの需要予測では、多めに予測する上位推計だと、当然機械は更新した方が有利である。少なめに予測する下位推計では、機械を買うより外注した方がよいということになった。

 導入を巡る会議では丁々発止の議論が交わされた。印刷業界の推計はここのところ実際に何年かたって振り返ると、下位推計をさらに下回るというような結果になることが多かったからだ。そして強気の需要予測による設備投資ではその後何度も苦労させられてきた苦い記憶がある。

 結局、下位推計つまりもっとも需要が縮小した場合でもペイできるということを確認した上で機械を更新することとした。

 果たして、この結果は5年後どう出ているだろうか。4代目CTPの導入はあるのだろうか。そして、何年か先、かならず生じるであろう、オフセット印刷機の老朽化による更新をどう判断すべきか。今から資料を集めて検討しておかなければならないなあ。

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