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2013年3月に作成された記事

スカイプでTV会議

最近会社で、ヘッドセットをつけた社員がコンピュータに向かってぶつぶつつぶやくようになった。ちょっと不気味な光景だが、なんのことはない。インターネットを使ったTV電話システムスカイプで、社員がクライアントと打ち合わせをしているのだった。ついにこの時代になった。

 TV電話システムと言えば私の子供の頃から未来のアイテムとして定番だった。科学博物館や博覧会には必ず、TV電話を体験できる展示があったもので、子供たちにも一番の人気展示だった。そしてそれはすぐにでも普及するかと思われたのだが一向に普及しなかった。技術的には難しいことではないらしいが、音声よりはるかに多い量の電気信号を送るインフラ技術が整わなかったからのようだ。TV電話システムを通常のアナログ電話回線につなげたりすれば、膨大な音声回線を塞いでしまうことになる。

 これがインターネットの時代に実現したのはデジタル通信技術の進展のおかげだろう。YouTube や Ustreamの繁栄を見てもわかるように、今や映像をインターネットに大量に流したとしてもネットはびくともしない。もちろん光回線のような情報伝送に関する技術革新も大きい。

 それはさておき、スカイプは仕事はもちろん、プライベートにも大活躍してくれる。先月紹介したように関東の大学に入学した息子とはスカイプで連絡をとりあっているが、それだけでなく、息子は京都の夕食後の団らんの場にスカイプで参加したりもしてくれる。なにせスカイプだと通信費がただなのだからうれしい。

 いまや校正もネットでやりとりするのが当たり前だし、電子書籍にいたっては納品物もネット納品となる。ネットの上だけで仕事が完結することだって可能だ。この上、打ち合わせをスカイプですませるとなると、まったくお客さんとあうことなく仕事がすんでしまう。営業は部屋から一歩も出ることがなくてもいい。ただこれは時期尚早のようだ。やはり実際にお客さんに会わないと商談が進展しないことは多々ある。第一、お客さんが「忙しいのでスカイプですませよう」と言ってくれればいいが、こちらから「営業に出るのは面倒ですので、スカイプですませましょう」は言いにくい。まあ、これも手紙の連絡に換えて電子メイルで送っても、いつのまにか失礼でなくなったように、慣習が変わる可能性もある。

 そして、今一番便利にスカイプを使っているのは、実はTV電話という一対一の会話ではない。TV会議としての利用である。TVカメラを液晶プロジェクタか何かで遠方の会議室の情景を映し、広角のWEBカメラでこちらの画像を先方に送れば、十分にTV会議システムとして利用できる。

 TV会議そのものは立派な専用システムや専用機器がかなり以前から存在していたが、費用はきわめて高額で、おいそれと中小企業で装備できるものではなかった。ところが、スカイプなら何度も言うが、ただである。広角のWEBカメラや会議用の集音マイク、スピーカーなどは準備する必要があるが、たいした金額ではない。

 京都の本社と東京の事務所をつないで日常の管理職会議や社長挨拶の中継などに使ってみたが、かなり利用価値が高い。音声通話だけでも会議には充分役割がはたせそうなものだが、不思議なことに画像がついてくると同じ会議に参加しているという意識が強くなるようだ。音声だけの時よりはるかに意見もでやすい。慣れてくると、遠方にいるという距離感も薄れてしまう。

 京都の地場産業として100年以上、京都に根を張ってきた当社としては東京に進出といってもなかなか難しかった。東京云々以前に遠方の事務所をマネジメントするノウハウがなかったからだ。しかしこういうスカイプのようなシステムを使うとぐっと東京が身近になる。東京事務所が実際に機能しだしたのはスカイプのおかげかもしれない。

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