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2011年3月に作成された記事

iPadの実用性

 今更ながらiPadである。もちろん、iPadは出はじめのころに買って、ひととおり触ってみた。それはここでも報告済みだ。しかし、会社の備品として買ったため、社員にたらいまわしにされたり、研究用にと占有されたりで、私はその後まったく触れることもできなかった。それで個人で購入したのである。

 とはいっても、もとより実用性など期待していない。私は通勤手段が自動車なので、電子書籍最大の用途と考えられる通勤時のひまつぶしという用途には使えないのだ。キンドルもまっさきに買って、ひととおり業界仲間に自慢したあとはさわってもいない。いわば、自称電子書籍評論家としてiPadぐらいもってなきゃという責任感というか義務感での購入だった。それにiPadはスレートPCとしてもエポックメーキングな製品として歴史に残ると思う。何年かすればいわゆるコレクターズアイテムとなるとも考えての事でもある。

 ところがどうして、iPadというやつ、まったく期待しないで買ったということもあるが、結構実用的なのだ。まずは東京出張に携帯してみた。最近の新幹線N700系では無線LANが使えるから、ノートパソコンがわりに使えるかというわけである。結論。使える。ノートパソコンより軽いのがありがたい。パソコンメイルはあたりまえだが読める。メイルは携帯電話でも読めるがiPadの広い画面は携帯電話よりはるかに快適。キーボードがないので入力はタッチパネルになるが、これも思ったより使える。もちろん短文に限ってのことだ。部下からのメイルに「了解」のひとことを書くぐらいなら必要にして充分。

 さてその次は、お待ちかねの電子書籍としての用途だ。車内から「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を購入。このベストセラーをまだ未読だったのだ。表紙がいわゆるオタクの萌え絵で、中年男性が書店で買うのがなんとなく気恥ずかしかった。書店員の目などまったく気にせずどんな本でも買えるのは電子書籍の隠れたメリットかもしれない。

 さっそく読み始める。普通に読める。iPadは電子ペーパーではなく液晶なので目が疲れると脅かされ続けていたがまったくそんなことはない。それより、字を大きく表示できるので老眼の目にはむしろ楽。老眼鏡をかけて本を読むのは意外に目に負担なので、字を大きくして老眼鏡なしで読むのはむしろ疲れない。電子書籍もあとはコンテンツ流通の問題さえ解決つけばすぐ実用になるのを今更ながら実感。。

 さて、次は、家にかえって寝転んで電子書籍を読んでみる。私の読書スタイルはほとんどこの寝転がり読みだ。この時はさすがにiPadも重く感じる。さらに感じたのは「堅い」ということだ。本は紙だから、やわらかく曲げたりまるめたり自由にできる。慣れの問題かもしれないが、堅い本(物理的に)というのは違和感があって疲れる。寝転んで読むという用途でコンテンツの価格が同じだったら正直な所、紙の本を選ぶことなるだろう。軽い電子書籍リーダーはすでに市場にいくらでも出回っているが、やわらかい電子書籍リーダーは少し時間がかかるかもしれない。

 そしてiPadのような液晶画面最大のメリットかもしれないと思ったのは暗がりでも灯りなしに本が読めることだ。ベッドメイトの家内に気兼ねなく枕元の電気をつけずに本が読めるのは助かる。ついでに、昔、母親に「早く寝なさい」と電気を消されたあと、布団にもぐりこんで懐中電灯で照らしながらマンガを読んだときのように、布団をひっかぶってその中で読んでみる。もちろん読めるし、暖かい。冬の夜長には意外にいい読み方かもしれない。しかもiPadを布団と枕にもたせかけておけば手で持つ必要もないから重さも堅さも気にならない。これは紙の本の模倣ではない新しい読書形態になるかもしれない。

 

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