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富士通のカラー電子ペーパーに期待

 7月8日からの国際ブックフェアは、iPad博覧会とおもわせるほどのiPadを利用したアプリであふれていた。Kindleからはじまった電子書籍の波は日本の業界人にもついに電子書籍が使いものになるという印象をあたえたのだと思う。

さまざまな端末が展示されていたが、たいていはKindleか、iPadの亜流。中国製品ではあからさまなKindleの偽物といいたいものまであった。

 そのなかで、目についてのはこれだ。

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 参考出品の富士通の端末。カラー電子ぺーパー端末である。カラー電子ペーパー端末は富士通から、FLEPIAという商品名で昨年から発売されている。ただし、お世辞にも売れているとは聞かない。価格が9万円と高い上に、カラーの発色がよくなく、iPadのあのあざやかな発色と見比べたらいかにも見劣りがする。しかし、カラー液晶ではなくカラー電子ペーパーの実用商品をいちはやく発売した意気は買っていた。

 今回の参考出品は、余計なものをそぎおとしたとかで、とにかく薄くて軽い。もってびっくり。159グラムという軽さは本より軽く、本当に下敷きに画像がでる感じだ。残念ながら、発色や表示速度ではiPadにいささか劣るが、モノクロだと、Kindle並の表示ははできていると思う。とにかく、軽さと薄さにまいってしまった。

 欲しい。

 電子書籍は実用になるかどうかなどといわれているが、私は今後の展開は軽さと薄さだと思っている。実際、iPadで、本を読んでみるとわかるが、あの重さでは手に持って読むというわけにはいかない。逆に携帯電話による読書だと軽さと言う点では問題ないが、あの小さい画面にはまいる。老眼になってきている身としてはとてもつきあえない。画面が大きくて、軽いものということになると、やはり今回の富士通の端末のような形になるのではないか。

 どんなものでもそうだが、新製品が普及するのは、今までにないまったく新しい製品であるか、もともと製品としてあるものだったら、元の機能がそなわった上で、とてつもなく便利になっているかにかかっている。これに安価をくわえてもよい。
 本と電子書籍を考えた場合、電子書籍は、今まであった本という機能を代替しているだけで、まったくの新製品ではない。使い慣れた物には人間は非常に保守的。以前の物と同じ機能が提供できるぐらいでは普及しない。これは普及したものと普及しなかったものを比べれば一目瞭然。

 デジカメも実は20年以上まえから発売されていたが、本当に普及したのは、背面に液晶画面を得てからだ。それまではたいして枚数のとれるわけでもないメモリーカードをいちいちパソコンにとりこんだり、写真屋にもっていかないと画像はみられなかった。液晶を背面に具えることで、フィルムカメラにはぜったいないその場で画像を確認できる機能が付加された。それ以後の爆発的普及はここで繰り返すまでもない。実は品質的には銀塩写真の方がはるかにいいわけだが、このことを帳消しにするぐらいのメリットがデジカメにはある。だからこそ、完全に銀塩フイルムカメラを駆逐してしまった。

 逆に、もう誰も覚えてるひとのないエルカセットという機器があった。音質のよいテープ幅の大きいカセットテープだが、少々音質のよいぐらいではなかなかメリットにはならない。

 現在の電子書籍は、いつでもどこでもあらゆるコンテンツが手にはいるとなるという新機能をそなえた。これはまず大進化だ。アメリカではKindleがこの機能を装備したおかげで、一気に普及した。まだいささか紙の本より読みにくいにもかかわらずだ。質より便利さ。大衆はそれを求めている。これを技術者中心の発想にすると、画像の美しさばかりに気をとられてしまう。またモニターでわざわざ意見を言うような人は、発色のような従来の機能の向上をもとめる。まさしくエルカセットの失敗がそうだと思う。技術者やこだわりのマニアは音質ばかり求めるからだ。それはあくまでひとつの要素。というか大衆はそんな細かいところまで気にしていない。

 電子書籍の今後のメリット。これは軽さだと思う。出張に行くとき、本を持っていくのはいいが、カバンが重くなるのがたまらない。また、本は寝転んで読んでいても手が疲れる。しかもページがぱらぱらめくれてきて扱いにくい。この点、電子書籍が軽くなれば、こうした紙の本のデメリットが解消でき、紙の本を凌駕するメリットを付加することになる。これは絶対にうれしい。本体に通信機能なんかを付加すると重くなるなら、本体部分だけは切り離せるようにして腰にでもつりさげればいい。

 いずれにしても、軽さと薄さは、電子書籍最大のメリットとなりうると思うのだが、どうだろうか。とりあえず富士通にがんばってもらいましょう。

 しかし富士通というのはコンシューマー製品作らせると、下手だからなあ。デザインが不細工だったり、大衆の好みじゃなくて技術者の趣味にはしっていたりする。営業より技術者が強いのだろうか。蛇足だが、私はもと@niftyで1987年からフォーラムのシスオペやっていて、@niftyが電子掲示板老舗でありながら、2ちゃんねるやミクシーにおいこされて消滅してしまったのが今でも悔しい。今度のカラー電子ペーパーも富士通が早くから開発しておきながら、いざ商品段階になって、韓国や台湾あたりのベンチャーに商品性の優れたものを開発されてしまうという気がしてならない。

2010/7/10

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