« 2010年5月 | トップページ | 2010年8月 »

2010年7月に作成された記事

我電子書籍の抵抗勢力たらんと欲す 新聞に記事が載りました。

「我電子書籍の抵抗勢力たらんと欲す」おかげさまで、大評判です。
今朝の京都新聞に大きく紹介記事がでました。小さくて読めないときは画面でクリックしてください。

Densi0728

これを見て、直接、わたしどもの会社にも注文がはいってきていますが、あくまでも販売は「印刷学会出版部」です。書店等にない場合は、書店で注文されるか、直接下記のオンライン書店からも購入できます。


bk1 
アマゾン
ライブドアブックス
セブンネットショッピング
楽天ブックス
紀伊國屋Book WEB

「我、電子書籍の抵抗勢力たらんと欲す」ついに発売。反響は?

「我、電子書籍の抵抗勢力たらんと欲す」ついに発売いたしました。今日はほぼ一日、パシフィコ横浜のPRIMEDEX会場にて、売り子さんをやっていました。著者みずから、「著者がサインします」と声をはりあげて売ってきました。コモリ印刷機械の小森社長はじめ、多くの方々にお買い上げいただき、印刷学会出版部ブースどころか、会場にあった、出版社ブースの中でも圧倒的な売り上量げだったと思いますよ。

 下の写真は売り子やっている私。もうひとりは、印刷学会出版部の古性(ふるしょう)君です。

Img_0387


で、そろそろ読後反響もでているわけですが。

 まずは、「抵抗勢力たらん」というこの挑戦的な題名について。まず、一番最初に言われたのが、「抵抗勢力」もなにも、紙の本はポッとでてきた電子書籍にそもそも負けるわけがないので、わざわざ「抵抗勢力」というようにまともに相手にしていること自体がおかしいんではないかという意見です。古典的な印刷や紙の信奉者に多いですが、この手の方々は、そもそも現在の電子書籍や電子ペーパーのすごさをごらんになっていない。となりで、若い人が使っているのを横目で見ただけで、つかいものにならない言い切っている。

 これは私も冒頭で書いてますが、認識違いもはなはだしいと思います。電子書籍は脅威です。紙の本よりもはるかに魅力が多い。検討すればするほど、電子書籍の発展は間違いないと思えるのです。だからこそ「抵抗勢力」にならないといけないわけです。圧倒的な脅威があるからこそ、抵抗しなくちゃならない。そこはまず私の基本スタンス。とるにたらないとか、相手にならないとかは言ってません。

 じゃあなぜ、「抵抗勢力」となるのか。それは、われわれ印刷業界の既得権益を守るためです。既得権益って、悪の権化のようにいわれますが、まずは生きていく糧です。全否定されたら闘わざるをえない。農業団体が、既得権益擁護のためにどれだけ闘ったか。まずはかれらを見習いましょう。それで、文化の真の発展になるかどうか。それはここでは問いません。まずはわれわれ印刷業界や書店、出版社が生き延びねばならない。紙を前提として、印税も、出版社の編集も維持されている。これは一朝一夕ではかわらない。これを抜きにして、勝手に産業転換の御名のもとに本が滅ぼされたら、誰だって怒ります。

 そして、もうひとつ、私は紙の本が好きです。そのあたりは本にも収録しましたし、このブログにもありますが、絶対的に好きなのです。多くの人がそうでしよう。

 そんなに本が好きだったら、そして好きという人が多いのだったら、本が滅びるとか、電子書籍に抵抗するとかしなくても、自然に本が勝つので、「抵抗勢力」なんかにならなくてもいいのではという意見も聞きました。でもこれは甘いと思う。私の原点は最初に出版した「活字が消えた日」ですが、それがまさにそうだった。私も親父も活字が好きだったし、そういってくれるお客さんもたくさんいました。でも電算写植の圧倒的な機能と便利さの前に、転換せざるをえませんでした。そのとき、お客さんはやはり「もったいない」とか「活字の風合いが好きだから、残して欲しい」とさんざんいわれたのですが、結局電算写植組み版となり、それを見慣れてしまうと、誰も活版がいいとは言わなくなりました。たまーに、「活字でやって欲しい」というお客さんもあらわれましたが、「価格がずっと高くなります」というとそれでもやって欲しいというお客さんはいませんでした。

 電子書籍もたぶんそうなると私は見ています。今は、見慣れないし、値段もそれほどかわらないから、本が対等に論じられています。が、電子ペーパーの質はあっというまによくなるでしょうし、値段は電子デバイスのこと、たぶん只でくばられるようになるには時間はかからない。つまりコンテンツのおまけとして電子書籍端末が無料で配られる時代はすぐそこに来ていると言うことです。そうなると、単純な感傷では本は残れません。

 だから積極的に電子書籍普及の足をひっぱれ、時間を稼げという論になるわけです。
「我、電子書籍の抵抗勢力たらんと欲す」
ですね。

 もちろん、通読していただければわかると思いますが、この論理自体が一種のパロディです。私の真意ははてどこにあるのでしょうか。それは買ってみてのお楽しみ。

印刷学会出版部 刊 
四六 208頁 並製
1600円+税
ISBN978-4-87085-200-6 C0070 \1600E

bk1 
アマゾン
ライブドアブックス
セブンネットショッピング
楽天ブックス
紀伊國屋Book WEB  


2010/7/23

「我、電子書籍の抵抗勢力たらんと欲す」発売します

このブログや、印刷雑誌の連載をまとめた、新著

「我、電子書籍の抵抗勢力たらんと欲す」

を7月22日のPRIMEDEX会場で先行販売することになりました。その後一週間ほどで全国発売となります。

内容はこのプログをごらんの方ならみなさんご承知でしょうが、全部まとめて、文章も校正し、わかりにくい用語には解説を付すという、「書籍」になっています。

Wareden2


内容は

第一章 電子書籍狂騒曲
第二章 IT化社会の奔流
第三章 ネットに転ずる印刷業の行方
第四章 果てしなき情報の未来

全部電子書籍の話題ってわけじゃないですが、この時代の印刷業他、旧来型の情報産業の現状と展望を軽いエッセイ仕立てで語っています。

印刷学会出版部 刊 
四六 190頁 並製
1600円+税
ISBN978-4-87085-200-6 C0070 \1600E

よろしくー。

富士通のカラー電子ペーパーに期待

 7月8日からの国際ブックフェアは、iPad博覧会とおもわせるほどのiPadを利用したアプリであふれていた。Kindleからはじまった電子書籍の波は日本の業界人にもついに電子書籍が使いものになるという印象をあたえたのだと思う。

さまざまな端末が展示されていたが、たいていはKindleか、iPadの亜流。中国製品ではあからさまなKindleの偽物といいたいものまであった。

 そのなかで、目についてのはこれだ。

Img_0200b

 参考出品の富士通の端末。カラー電子ぺーパー端末である。カラー電子ペーパー端末は富士通から、FLEPIAという商品名で昨年から発売されている。ただし、お世辞にも売れているとは聞かない。価格が9万円と高い上に、カラーの発色がよくなく、iPadのあのあざやかな発色と見比べたらいかにも見劣りがする。しかし、カラー液晶ではなくカラー電子ペーパーの実用商品をいちはやく発売した意気は買っていた。

 今回の参考出品は、余計なものをそぎおとしたとかで、とにかく薄くて軽い。もってびっくり。159グラムという軽さは本より軽く、本当に下敷きに画像がでる感じだ。残念ながら、発色や表示速度ではiPadにいささか劣るが、モノクロだと、Kindle並の表示ははできていると思う。とにかく、軽さと薄さにまいってしまった。

 欲しい。

 電子書籍は実用になるかどうかなどといわれているが、私は今後の展開は軽さと薄さだと思っている。実際、iPadで、本を読んでみるとわかるが、あの重さでは手に持って読むというわけにはいかない。逆に携帯電話による読書だと軽さと言う点では問題ないが、あの小さい画面にはまいる。老眼になってきている身としてはとてもつきあえない。画面が大きくて、軽いものということになると、やはり今回の富士通の端末のような形になるのではないか。

 どんなものでもそうだが、新製品が普及するのは、今までにないまったく新しい製品であるか、もともと製品としてあるものだったら、元の機能がそなわった上で、とてつもなく便利になっているかにかかっている。これに安価をくわえてもよい。
 本と電子書籍を考えた場合、電子書籍は、今まであった本という機能を代替しているだけで、まったくの新製品ではない。使い慣れた物には人間は非常に保守的。以前の物と同じ機能が提供できるぐらいでは普及しない。これは普及したものと普及しなかったものを比べれば一目瞭然。

 デジカメも実は20年以上まえから発売されていたが、本当に普及したのは、背面に液晶画面を得てからだ。それまではたいして枚数のとれるわけでもないメモリーカードをいちいちパソコンにとりこんだり、写真屋にもっていかないと画像はみられなかった。液晶を背面に具えることで、フィルムカメラにはぜったいないその場で画像を確認できる機能が付加された。それ以後の爆発的普及はここで繰り返すまでもない。実は品質的には銀塩写真の方がはるかにいいわけだが、このことを帳消しにするぐらいのメリットがデジカメにはある。だからこそ、完全に銀塩フイルムカメラを駆逐してしまった。

 逆に、もう誰も覚えてるひとのないエルカセットという機器があった。音質のよいテープ幅の大きいカセットテープだが、少々音質のよいぐらいではなかなかメリットにはならない。

 現在の電子書籍は、いつでもどこでもあらゆるコンテンツが手にはいるとなるという新機能をそなえた。これはまず大進化だ。アメリカではKindleがこの機能を装備したおかげで、一気に普及した。まだいささか紙の本より読みにくいにもかかわらずだ。質より便利さ。大衆はそれを求めている。これを技術者中心の発想にすると、画像の美しさばかりに気をとられてしまう。またモニターでわざわざ意見を言うような人は、発色のような従来の機能の向上をもとめる。まさしくエルカセットの失敗がそうだと思う。技術者やこだわりのマニアは音質ばかり求めるからだ。それはあくまでひとつの要素。というか大衆はそんな細かいところまで気にしていない。

 電子書籍の今後のメリット。これは軽さだと思う。出張に行くとき、本を持っていくのはいいが、カバンが重くなるのがたまらない。また、本は寝転んで読んでいても手が疲れる。しかもページがぱらぱらめくれてきて扱いにくい。この点、電子書籍が軽くなれば、こうした紙の本のデメリットが解消でき、紙の本を凌駕するメリットを付加することになる。これは絶対にうれしい。本体に通信機能なんかを付加すると重くなるなら、本体部分だけは切り離せるようにして腰にでもつりさげればいい。

 いずれにしても、軽さと薄さは、電子書籍最大のメリットとなりうると思うのだが、どうだろうか。とりあえず富士通にがんばってもらいましょう。

 しかし富士通というのはコンシューマー製品作らせると、下手だからなあ。デザインが不細工だったり、大衆の好みじゃなくて技術者の趣味にはしっていたりする。営業より技術者が強いのだろうか。蛇足だが、私はもと@niftyで1987年からフォーラムのシスオペやっていて、@niftyが電子掲示板老舗でありながら、2ちゃんねるやミクシーにおいこされて消滅してしまったのが今でも悔しい。今度のカラー電子ペーパーも富士通が早くから開発しておきながら、いざ商品段階になって、韓国や台湾あたりのベンチャーに商品性の優れたものを開発されてしまうという気がしてならない。

2010/7/10

« 2010年5月 | トップページ | 2010年8月 »