« OLJサイトの種類 | トップページ | オープンアクセス »

純粋OLJの行方

 オンラインジャーナルとはいっても、紙の雑誌があるのがまだ主流である。紙の雑誌が主体であって、検索や過去論文のアーカイブとしてオンラインジャーナルがあるというのが、今までのオンラインジャーナルのあり方だった。ただ、この状況は、徐々にオンラインジャーナル主体にかわりつつある。新しいWEB技術を使った、バーチャルジャーナル(オンラインジャーナルに載った個別の論文をWEB上で再編成して、新編集の雑誌にみせる)や、アラート機能(関心のある論文の掲載を知らせてくれる機能)の提供は検索するオンラインジャーナルから利用するオンラインジャーナルへと利用状況は変化している。

 こうなってくると、紙の雑誌は必要なのだろうかという疑問がでてくることになる。紙の雑誌は紙という物理媒体にのっていることで、情報を伝達することが紙の輸送コストとイコールであり、情報伝達のコストがインターネットに比べてきわめて高い。しかも印刷・製本という過程を経るため情報の伝達速度も遅い。
 紙を作らず、インターネットの上で雑誌として成立させる純粋オンラインジャーナルはしかし成立が困難だ。いくら安いとはいえ、そこには査読・編集・オンラインジャーナル作成というコストがかかる。オンラインジャーナルはオープンアクセス運動(別項)をはじめ、現在、強烈な無料化の波にあらわれており、オンラインジャーナルだけではなかなか採算がとれない。本という実態に対してはお金を払うけれども、オンラインジャーナルという情報だけになったときそれに見合う料金がとれないのが実状なのである。

 そんな中、2005年より日本では2誌の純粋オンラインジャーナル化がスタートする。生物物理学会の英文誌Biophysicsと細胞生物学会のCell Structure and Functionである。前者は新創刊の英文誌であり、後者は今まであった冊子体の学術誌を衣替えしたものだ。この2つの雑誌の動向と読者の反応を現在多くの関係者が固唾を飲んで見守っており、結果が注目される。

(2005.3.25)

« OLJサイトの種類 | トップページ | オープンアクセス »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/90336/3421527

この記事へのトラックバック一覧です: 純粋OLJの行方:

« OLJサイトの種類 | トップページ | オープンアクセス »